歴史・縁・民芸
民芸をこよなく愛した初代店主の心を今に受け継いで
「永楽町スエヒロ本店」の初代店主である三宅忠一は名もなき雑器に強く心をひかれていました。
ある時、同じように民芸の美に傾倒し、独自の工芸論を展開していた柳宗悦氏に共鳴した彼は柳氏や浜田庄司、河井寛次郎、バーナード・リーチ氏らとともに民芸運動に参加。
失われゆく工人たちの伝統の技を守り、民芸品の復興と普及に力を注ぐようになったのです。その実践の場が、昭和26年に開業した「永楽町スエヒロ本店」でした。
店の構えは民家風。コーヒー碗にいたるまで、すべての食器を民芸陶器で統一しビフテキも思い切って和皿の民芸陶器に盛りつけるようにしたのです。
そして、お客様の反応を見ては悪いところを直すように工人に指導しながらサービスの向上とともに、民窯の郷の復興にも尽力してきました。
その志を受け継ぎ、今も器をはじめ、家具や照明にいたるまで各地で受け継がれている民芸の品々をできるかぎり使うようにしております。
その縁を通じて、交流を深めていった天才版画家、棟方志功の作品も数多く残されています。
ただ味覚を楽しむだけではなく、民芸品や版画などで目も楽しませ、心豊かなひとときを、どうぞお過ごしください。
***本ウェブサイト『民芸とスエヒロ』より***